先日の記事で、ニュージーランド入国の際の検疫検査はとても厳しいとお話ししました。
ニュージーランドに入国する際に食べ物、植物、動物等対象の物を持っている場合は必ず申告が必要となります。
もし申告漏れがあった場合、即時400ドルの罰金です。
日本でも肉製品などに関しての検疫申告は必要ですが、ニュージーランドのようにカバンを開けて厳しく検査されることはありません。
個人がニュージーランドに入国する以外にも、ニュージーランドに送られてくるもの、輸入されるものも検疫の対象になります。
今回の記事では、どうしてニュージーランド入国の際の検疫検査は厳しいかについてお話ししたいと思います。
食べ物の持ち込み制限などに関してはこちらの記事をどうぞ。
ニュージーランド入国の際の検疫検査が厳しい理由
ニュージーランドは、恵まれた美しい自然が評価を受けています。
しかし、害虫・害獣、人による自然破壊、開発や公害による気候変動や観光開発など様々な理由でその美しい自然は危険にさらされています。
ニュージーランドの自然環境や経済は植物に対する害虫・害獣、病気の脅威に脅かされています。
ニュージーランドは孤立した島国なので、原生植物や動物は世界の他のほとんどの地域と異なります。
しかし、ニュージーランドの経済は外来の植物、動物をもとにした第一産業に依存しています。
それらの外来種はニュージーランドとは異なる生態系で進化したため、ニュージーランドの自然界にはそれらの動植物を害虫・害獣から保護するための環境が整っていません。
また、反対に、ニュージーランドの原生植物・動物は外来の害虫・害獣から自然に身を守るすべが備わっていません。
特に近年では、キウィフルーツ、その他の果物、カウリの木、パフタカワの木などが害虫被害に遭っています。
ニュージーランドに入国する際、加工されていない果物の持ち込みは禁止です。
果物には、フルーツフライという害虫の卵が潜んでいる場合があります。
この卵は、ニュージーランドに持ち込まれた後にふ化し、フルーツフライとなります。
フルーツフライにはたくさんの種類がありますが、中には作物や収穫物を食べることができない状態にするものもいます。
フルーツフライはニュージーランドの農産業に多大な被害を与えるため、ニュージーランドでは予防、駆除にたくさんのお金と時間をかけています。
そのため、果物や植物は持ち込まないこと、また、その他の食べ物、動植物は必ず入国時に申告することがとても重要です。
ニュージーランドの人々の間では、これらのバイオセキュリティーに関する認知度は高いです。
ニュージーランド政府は、2025年までに90%の関連するビジネスがこれらのバイオセキュリティーに関する危機管理を積極的に行う事、また、150,000人のバイオセキュリティーに関連する人材を育てる目標を立てています。
気候変動などによって、今まで特に問題とされていなかった地域からの害虫や害獣が問題となる可能性もあります。
ニュージーランドの動植物に対する被害を最小限に防ぐためには予防がとても重要です。
以上、ニュージーランド入国時の検疫がなぜ厳しいかについてお話ししましたが、以上でお話ししたことはほんの一部です。
ニュージーランドの美しい自然、おいしい新鮮な食材を守るため、入国の際の検疫での申請は必ず行うようにしてください。
食べ物の持ち込み制限などに関してはこちらの記事をどうぞ。
それでは。