ニュージーランド公認会計士最終必須課目 キャプストーン-Capstone

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ニュージーランド公認会計士の認定プログラムには、必須学科課目として4つのテクニカルモジュールと、最終学科キャプストーンに合格する必要があります。

今回の記事では、最終学科課目キャプストーンについてお話しします。

ニュージーランド公認会計士認定プログラムについての記事はこちら。

ニュージーランド公認会計士の資格を取得するには、まずニュージーランド公認会計士暫定メンバーになる必要があります。その後、5つの学科試験に合格、また3年間の実務経験の後にニュージーランド公認会計士の資格が取得できます。

このブログで取り上げるNZ公認会計士資格は、Chartered Accountants Australia & New Zealand(CAANZ)が主催するプログラムを通して取得する資格についてお話ししています。

公認会計士資格取得についての情報をまとめて公開した新しいウェブサイトを作成したのでこちらもぜひよろしくお願いします。

下のハイパーリンクかリンクカードをクリックするとウェブサイトに移動します。

ニュージーランド公認会計士資格取得応援ウェブサイト

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キャプストーン 概要

キャプストーンは、NZ公認会計士プログラムの学科課目の最終必須課目です。キャプストーンは4つのテクニカルモジュールが修了した後、若しくは、修了見込みの場合に受けることができます。

キャプストーンは英語で、最終の仕上げという意味があるようです。

最終課目のため、コース内容・構成・評価はテクニカルモジュールとは全く違います。

コース内容

キャプストーンの焦点は、複雑なビジネスの問題の解決案の伝達に当たられています。

キャプストーンは、NZ公認会計士プログラムの最終章として、プロフェッショナル志向・信頼に重きを置くビジネスの世界で必要な倫理問題やその他のスキルをさらに構築することを目的とします。

キャプストーンコースでは以下のトピックを統合した物が含まれます。

  • テクニカル知識
  • 倫理
  • コーポレートガバナンス
  • ストラテジー
  • 企業の社会的責任

これらのエリアへの露出は問題解決とコミュニケーション能力を構築の可能とします、そしてそれはどの分野のどの役割でも不可欠なスキルです。

このように、キャプストーンはテクニカルモジュールのように知識を高めるというよりは、実際のビジネスで必要なソフトスキルを高めるための課目です。

というのも、現在の人工知能技術の発展により、私たち会計士の事務処理的な仕事はコンピューターにより行われ、もっと、クライアントのコンサルティングやコミュニケーションなど、人工知能に任せることの難しいサービスの提供にシフトしていくと言われています。

そのためには、効果的な文書・口頭でのコミュニケーション能力が必要です。キャプストーンはそこに焦点を当てています。

コース構成

あらかじめ、お断りしておきますが、キャプストーンはその期によって、大テーマが決まっており、内容や採点方法が異なります。

以下でお話ししている内容は、私が受けた期、2017年第2期の内容を基にしています。この期の大テーマは、”分析・評価を通じての問題解決のためのビジネスアドバイス”でした。

コース構成は、12週間で終了するコースとなっています。

以前は年2回のみのコースの提供でしたが、今年からは年3回の提供に加え、4回目の提供もあるようです。

キャプストーンは、ワークショップが3つあります。

  • ワークショップ①-第2週目
  • ワークショップ②-第6週目
  • ワークショップ③-第10週目

ワークショップは、絶対参加で、やむを得ない理由以外で欠席した場合は、コース自体の不合格となってしまいます。

ワークショップは、朝8:30に始まり午後4:30に終了します。午前午後の軽食、また、ランチが提供されます。

3つのワークショップの後、13週目に最終試験があります。

最終試験は、大きな問題が3問、制限時間は3時間30分です。リーディングタイムは設けられていません。

全ての試験はオープンブックなので、電子機器以外の資料は参照可です。

以下、各ワークショップについて説明しています。

ワークショップ①-第2週目

ワークショップ①はかなり早い段階で開催されます。

ワークショップの前に、アクティビティー課題が出され、参加者はワークショップの前に取り組んでおくことを進められています。

当日は、参加者がチームに振り分けられ、全く知らない他の参加者とチームを組みます。敢えて、同じ職場の人達は別々のチームに割り振られるようです。

私たちは5人の1組のチームで、ワークショップ全体では5組のチームが構成されました。

このチームはテーブルチームといい、後続の2つのワークショップも脱落者がいない限り、同じチームでアクティビティーや試験に取り組んでいきます。(最終試験は個人試験です)

2人の司会進行役がワークショップを進めていきます。

ワークショップでは、事前に出されたアクティビティー課題に関連したアクティビティーを行っていきます。

ほとんどが、テーブルチーム、または、他のチームのメンバーとのアクティビティーです。

私は、テーブルチームの他のメンバーの1人と一緒に、2分ほどのプレゼンテーションをしなくてはなりませんでした。準備時間で与えられたのは15分で、事前のアクティビティー課題から派生した内容でした。

他の参加者も、別のトピックで同じようにプレゼンテーションを行いました。

これは、ワークショップ③のチームプレゼンテーション試験の予行練習のようなもので、採点されますが、実際の総合評価には加算されません。

その他、ワークショップ②の個人・チームの筆記試験の予行練習として、実際にリポートを書くアクティビティーもありました。

想像できると思いますが、その日始めて合った人達と一緒に物事を行うのは相当のエネルギーやコミュニケーションスキルがいります。

1日が終わった後は、かなり憔悴していました。

私の、同僚は私よりも前の期で受けたのですが、泣きそうだったと言っていたほどです。

ワークショップ②-第6週目 / 個人・チーム筆記試験

ワークショップ②も同じく、事前にアクティビティー課題が出されました。

このワークショップも同じく、アクティビティーが用意され、それをチームでこなしていきます。

お約束に漏れず、即興プレゼンテーションもありました。

このワークショップでは、個人・チームの筆記試験があり、総合得点の内20点がこの試験に割り振られています。

この筆記試験のために、事前情報が公開され、参加者はそれを元に自分でリサーチや準備を事前に行います。当日に試験問題、また追加情報が公開されます。

この筆記試験は、事前に公開された情報と、追加情報を元に架空のクライアントへ報告書を書く試験です。

試験内容は、そのキャプストーンごとに変わりますが、私たちの場合は、ジムの経営者のビジネス戦略変更に伴い、現存の5つ種類のジムのうち、どの2つを閉鎖するかを報告書にまとめて提出するという内容でした。

また、この試験には個人とチームの部分があり、個人には、1つのジムが割り振られ、提示された基準に基づく分析を元にした報告を書きます。その、個々の報告書を元に、チームとして、どの2つのジムを閉鎖するかをまとめた報告書を書きます。

採点は、個人の部分には20点中13点、チーム部分には7点が割り振られます。

採点基準があらかじめ提示されているので、それを理解し、その基準を基に報告書を書けば点数が取れるようになっています。

ワークショップ③-第10週目 / チームプレゼンテーション試験

ワークショップ③も同じく、事前にアクティビティー課題が出されました。

このワークショップも同じく、アクティビティーが用意されていましたが、メインは、チームのプレゼンテーション試験です。総合得点のうち20点がこの試験に割り振られています。

このプレゼンテーション試験も事前に基礎情報・カバーしないといけないトピックが公開されそれを元にプレゼンテーションを準備します。

私たちのチームは事前に2回ミーティングをし、3回練習しました。

プレゼンの時間は、5人のチームなので15分の時間が割り振られました。4人チームの場合は12分です。

採点基準は、プレゼンの内容よりも、プレゼンの仕方、つまり、ジェスチャー、アイコンタクト、話すスピードや声のトーンが評価されます。また、時間内にプレゼンテーションを収める、次のスピーカーへの引継ぎなども採点されます。

採点基準は公開されているので、それに基づいて準備すれば点数はちゃんと取れます。

内容は、実際に問われている内容に関連していることを話せばあまりその質は採点にはあまり関係がないようです。

採点は、個人の部分には20点中12点、チーム部分には8点が割り振られます。

最終試験

最終試験は12週間に含まれておらず、通常13週目にあります。

最終試験は筆記試験で、事前に開示された情報を基に出題されます。

また、当日、追加情報・実際の問題が公開されます。

私たちの時は、すべての問題は、”分析と評価”に関する問題が出題されるという事が事前に公開されました。

この”分析・評価”はそれまでのアクティビティーで問われてきている必要なスキルです。採点基準が提示されているので、それを理解して質問に答える必要があります。

上記で、お話した通り、最終試験は、大きな問題が3問、制限時間は3時間30分です。リーディングタイムは設けられていません。

必要参考書

この課目に必要な教材は、コース開始前に届きます。それ以外の必要な参照文献はたいていオンラインでアクセス可能です。

合格点

個人・チーム筆記試験に20点、チームプレゼンテーション試験に20点、最終試験は60点で総合得点100点満点となっています。

このコースに合格するには、最低でも総合得点100点満点中60点を取る必要があります。テクニカルモジュールのように、最終試験では、何点以上取る必要があるという制限はありません。

合格率

私が受けた期(2017年の第2学期)の合格率は、87.6%でした。そして、最高得点は94.5点です。

以前にもお話ししましたが、基本、3つのワークショップに出席し、試験さえ受ければ、ほぼみんな合格すると言われています。

私の得点

ちなみに、私の得点は、

  • 個人・チーム筆記試験-14点
  • チームプレゼンテーション試験-20点
  • 試験-49点

で、合計83点でした!

最終試験で時間配分に失敗したので、すべての問題に答えることができなかったのですが、答えた問題は点数がきちんともらえていました。

勉強時間

コースの開始時に週ごとの必要勉強時間が提示されますが、それ以外にも筆記試験の準備やプレゼンの準備があるので、自分で時間配分を決める必要があります。

この課目ははっきり言ってそこまで難しくないですが、精神的に疲れます。

なぜなら、自分だけの努力でなく、他のチームメンバーとのコミュニケーション・協力が必要だからです。

かなり長くなりましたが、今日は、NZ公認会計士プログラム最終課目、キャプストーンについてお話ししました。

ご質問がある方はお気軽にお問い合わせください☆

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それでは。

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